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ビッチェズ・ブリュー(Bitches Brew)とは、ジャズ・トランペット奏者マイルス・デイヴィスが1970年に発表した2枚組のアルバム。前作『イン・ア・サイレント・ウェイ』に引き続き、エレクトリック・ジャズ路線を押し進めた内容で、「フュージョン」と呼ばれるジャンルを確立した、ジャズ史上最も革命的な作品の一つとみなされている〔Bitches Brew - Miles Davis : AllMusic - Review by Thom Jurek〕。マイルスのアルバムとしては初めて、本国アメリカでゴールド・ディスクに達し〔MIles Davis' Bitches Brew - ColumbiaJazz 〕、総合チャートのBillboard 200で自身唯一のトップ40入りを果たした〔。その後も売れ続け、『カインド・オブ・ブルー』と並ぶマイルス最大のヒット作と言われている。2003年、ローリング・ストーン誌が選出したオールタイム・グレイテスト・アルバム500で94位〔500 Greatest Albums: Bitches Brew - Miles Davis | Rolling Stone 〕。 1998年11月24日に、『ザ・コンプリート・ビッチェズ・ブリュー・セッションズ』(本アルバムで使用した1970年2月までのスタジオセッションを収録したCD4枚組ボックスセット)がコロムビア・レコードから発売された。 == 解説 == ほぼ全編8ビートを基調としており、単にエレクトリック楽器を使ったというだけでなく、リズム面でもジャズ界に革命をもたらした作品。よく「ジャズとロックを融合した先駆的なアルバム」と言われるが、音楽的にはファンクからの影響も強い。ドラマー2人とパーカッション奏者2人を起用することで、多彩なリズムを積み重ねていった。マイルスが1970年代に制作・発表したアルバムはおおむね、本作の路線を継承している。 27分に及ぶ「ビッチェズ・ブリュー」を筆頭に、どの曲も10分を超える大作となっている。唯一「ジョン・マクラフリン」のみ5分未満だが、これは、「ビッチェズ・ブリュー」があまりに長いため、プロデューサーのテオ・マセロが一部を切り取り、単体の楽曲として独立させたもの。タイトル通り、ジョン・マクラフリンのギターが中心となっている。また、全ての曲がテオ・マセロにより緻密な編集が施され、その結果、他のクロスオーヴァー系アーティストのスタジオ録音とは一線を画す独自の実験性が反映されることとなった。 メンバーは、前作『イン・ア・サイレント・ウェイ』にも参加した面々を中心に、マイルス・バンドの新ドラマーとなるジャック・ディジョネットや、リターン・トゥ・フォーエヴァーでも知られるレニー・ホワイト、後にジャコ・パストリアスと活動するドン・アライアス等も加えた、大編成となっている。後のフュージョン・シーンで活躍する名プレイヤー達が群雄割拠した作品とも言える。なお、本作はウェイン・ショーター在籍時としては最後のスタジオ・アルバムで、ウェインはその後、ジョー・ザヴィヌルと共にウェザー・リポートを結成。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ビッチェズ・ブリュー」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Bitches Brew 」があります。 スポンサード リンク
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